《MUMEI》

――シャァァ…キュ……パタン…


シャワールームのドアが閉まり、中から彼女が出てきた。


大きな鏡越しに、タオルで身体の水滴を拭う後ろ姿が見える……。


僕は思わずニヤけた…。


やがて彼女は僕の居るマスターベッドルームへと歩いてきた…。


すくめた腕でタオルを抱き、申し訳程度に裸身を隠しながら――…



「濡れた髪もセクシーだね…(笑)」


僕はシガーを揉み消しながら声をかける。


「もぉ…茶化さないで…」


カオリちゃんは少女のように恥じらうと、せっかくの裸身をローブで隠してしまった。

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