《MUMEI》

これから告白でもするのか、というくらい顔が熱くなる。

「先生・・・。」
「まだ何か用?」

本当に態度が教師じゃない。教師どころか大人じゃない。
その態度に少しムッとして、私は逆に冷静になれた気がした。

「皆との思い出を作るためにも、先生に教えてもらいたいんです。」

「じゃあ学校じゃなくて、どこか別のところに、おまえたちだけで集まってやれよ。俺、めんどくさい。」

な、なんという言い草ー。だんだん怒りが込み上げてくる。というより悲しくなってくる。

私が言ってもダメみたい・・・

「他の場所じゃなくて、学校での思い出が作りたいのに・・・」
少し悲しげに言った。

先生は無言でこちらを見る。・・・じっと見ている。

「俺と星がみたいか?」
優しく聞かれた。私はまた体全体が熱くなった。
・・・なんでそんな問い掛けするの?



「・・・見たい。」

恥ずかしくて下を向いたまま言った。
先生はニヤニヤという感じで笑っている。絶対にからかわれてる。

「わかった。広崎がそんなにいうならしかたがない。明日な。」

なんとか承諾をもらった。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫