《MUMEI》 お喋り「ごめんねぇ〜遅くなっちゃって」 私は息を切らしながら席についた。 「遅刻したバツとして、ワインを注文するわよ!」 千夏が勝手に私のドリンクを注文する。 「愛加、久しぶり!相変わらず仕事忙しいの?」 美幸と会うのは例のコンパ以来で、本当に久しぶりに感じた。 「中間決算が近いからいろいろとね…」 私は適当に返事をした。 「そういえば千夏から聞いたわよ。例の佐久間さんと良い感じなんだって?」 千夏のお喋り! 私は千夏を睨んだ。 「だって愛加のお母さんとも会ったんでしょ?」 千夏があっけらかんとした口調で言う。 「会わせたんじゃなくて、偶然たまたま出くわしたのよ。それだけ」 私はそんなことより、情報が早く流れていることに腹が立った。 「また佐久間さんが高橋さんにペラペラと喋ってるのね!!」 そして高橋さんが千夏に話す。 「悪い話じゃないんだから良いじゃない」 千夏が反論する。 「そうだけど…」 そう言われると何も反論できない。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |