《MUMEI》
内藤視点
▽
「坂井さんっ」
「あれ?内藤!何でここにいんの?」
コンビニで立ち読みしている坂井さん発見。
俺はここの近所に住んでるんだって言うと私も〜だって。
どうやら裕斗さんと同居しているらしい。
「随分渋いの読んでるね」
「そうかなあ?兄貴もたまに見てるよ?」
「マジで〜?そんなイメージないけどなあ」
週間囲碁クラブ…渋いぜ坂井さん!
夕飯用の弁当とお菓子を選びレジで会計する。
坂井さんは今度は単行本を読み始め、しかもしゃがみ込んでいる。
「もしかして時間潰ししてんの?」
「ビンゴ!今家に帰りたくない状態!」
う〜ん…。
なんとなく辺りをキョロキョロ、誰も見てないか。
「良かったら家来る?マンガならいっぱいあるし……あ……」
めっちゃ嬉しそうに俺を見上げている。
「エヘッ!良いの?」
「う、うん、どうぞ…」
「も〜助かった〜っ!内藤って結構良い奴じゃん!」
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