《MUMEI》
*事実*
それを見て、瑠果は目を見開いた。

(ケーキ‥!?)

目の前に現れたのは、ロウソクの立てられたドーム型のケーキだった。

「何ゆえケーキなのだ紫堂?」

すると紫堂が逆に聞き返した。

「お嬢様、お忘れですか?」

「何をだ?」

「ご自分のお誕生日を」

「!」

ケーキを見つめていた瑠果は、ハッとしたように紫堂を見上げた。

「ではお前‥その準備をしていたのか‥?」

「はい、ですが少々手間取ってしまいました」

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