《MUMEI》

「風邪ひく、から……」

全然、外の冷たさなんて分からないけど。

「嘘だな。」

「ちょ、それは……」

七生がギリギリのとこで止める。

「肌も温かいからね。」

乙矢に臍の中を嘗められる。

「ドコ突っ込んでンの……」


「ぱんちゅー」

嬉しそうに七生が言う。

「臍のち、乳首……」

乙矢の舌が右脇腹を滑り胸部に走る。

「……んぅっ」

以外と大きな声が出た。麻痺してきてる。

「うわ、エロエロ……」

七生すぐ人を揶揄する。

「七生、これは色っぽいつーんだ。」

同じだろ。


「は、 うるっ……さ」

喘ぎを堪える為、余計なことに気を取られないように集中する。

「コラ、そうやって意固地になればなるほど俺達も欲情するぞ?」

耳元で七生の円やかな声がじんわりと滲みる。

心臓とは別の脈の波が来て痙攣していた。


その後に大きい波で二ツ揺れた。
乳輪へ乙矢の舌がぐるりと二回りされる。

「くっ―――――― 」

極力、悟られないように奥歯を噛み締めた。

「可愛い。ココ、尖らせてちゃって。」

乙矢の言い回し、変態に任命。
舌が服の中で俺の乳頭をつっつく。

「――――――――あぅ」

もう、俺は日本語が話せないのか。
七生に腕を絡まれ、押さえられている指が雪を溶けるまで握り締めた。

ヒリついた指先

凍てつく空気

研ぎ澄まされた感覚

纏わり付く息遣い



「……今まで犯罪者が現れなかったことへ感謝。」

七生が言うか……

「二郎と会えたことに感謝。」

乙矢まで柄にも無いことを。


「も……二人と口きいてやんね」

俺の大事さに離れてから気付けばいいんだ!

「それは困るなあ。」

七生め、その割に止める気は無い。
本当に思ってるのか?

「かなり、な。」

乙矢ももう片側の乳輪まで指が向かっている。


「俺はお前達に恩を仇で返されるために構ってやったんじゃない。
……ばかっ、聞こえないのかよぉ」


酒の匂いに酔いが廻ったのかめちゃくちゃにされた体がそうさせられたのか眩暈がする。

「あだってなに?
触ったら俺の好き伝わるかなって思っただけで唯のコミュニケーション……」

「七生はすぐ口に出すから十分に伝わってる……」

とか言いながら手が下半身に入っていて口所では無いだろうが。

「分かって無いなあ。
二郎には俺のって書いておけないんだから体に刻み付けといて欲しいの。」

そう言いながら七生の唇は再び首筋にあたった。

「馬鹿だよな、俺にも見せることになるし。」

乙矢って酔っても意識あるみたいだ……。
しかしどんな冷静な言葉投げ掛けても酔っ払いは酔っ払いなんだけど。
顔を俺の服に顔を突っ込んでる時点でおかしいし。

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