《MUMEI》 *背景*「僕は──ご主人様に拾って頂いたんです」 「‥?」 「僕には身内がいません。こっちに来てからも仕事を探して、毎日歩き回ってました。──そんなある日‥屋敷のすぐ側を通り掛かった僕を、ご主人様が呼び止めて下さいました‥」 「父上が‥?」 「はい。娘を独りにしたくないから‥って、自分がいなくなったら僕に屋敷へ向かうよう言われたんです」 「それでお前はここへ来た、と言う訳か」 「そうです。全く経験のない僕が、まさか執事の仕事をやるだなんて思ってもいませんでした。みっちり仕込まれましたよ、色々と」 苦笑しながら、紫堂は話を続ける。 「でも僕はこんな性格ですから──あまりお役に立つ事が出来ませんでしたがね」 前へ |次へ |
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