《MUMEI》
*了解*
「‥‥‥‥‥‥」

「命令なら‥いくらでも聞いてやる。だから‥」

「‥?」

「だから出て行くなどと言うな。金輪際‥私にそのような事を言うな」

「瑠‥」

「扉から離れろ」

瑠果が言うと、紫堂は大人しく従った。

すると瑠果の表情はいつも通りの笑顔に戻り、紫堂はホッとした。

「紫堂」

瑠果は腕を組んだまま紫堂を見上げて言った。

「今言った事を忘れるな?」

「ハ‥、ハイ‥ッ了解です」

紫堂は反射的に敬礼をして、そう答えた。

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