《MUMEI》
*食欲*
瑠果は先程の話で余程喉が渇いていたのか、一気に水を飲み干すと、コトン、とグラスをテーブルに置いた。

そして再び、ケーキを食べ始める。

ふと彼女が前を見ると、紫堂はぼんやりとグラスの水を見つめていた。

「紫堂は食欲が無いのか?」

「いえ、そういう訳では」

そう答え、紫堂はフォークを手に取ると、ケーキの皿を引き寄せた。

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