《MUMEI》
皇国
「以上で今回の議会を解散としますが・・なにか意見があれば。」
「ん。」
会議室を見回すとセイが手を挙げている。
「どうぞ。」
「ロゼ、今日の昼飯なんにする?」
・・・・周囲から白い目で見られている事に気が付いてほしい一心で無視。
「・・清・深緑、お前今がどんな状況か解って言ってるのか?」
オデッセが額を押さえながら周囲のヒトの意見をまとめてくれた。
「ぁ?会議は終わって、これから昼飯だろ?なんか間違ってるか?」
セイ、間違っています。
少なくとも先ほどの私の「意見」と言うのは今回の会議に関する事で・・
周囲では苦笑する者、またかと頭を抱える者・・
「セイ、昼食は・・」
「陛下までボケなくて良いです。」
場を和ませようと思ったのですが・・失敗のようです。
「まぁ、良いじゃ無いかね。私も腹が減っておるのだし、失礼させてもらうとするかの。」
ほっほっほと楽しそうに笑いながら、ジグド魔術長が退席していった。
「まぁ、いつもの事だしなぁ・・」
他の者達も続いて次々と会議室を後にしていった。
「陛下はセイに甘すぎなのでは?」
「そうかもしれませんね。」
オデッセの問いに苦笑しながら答える。
「オデッセ、昼食。」
あの声は・・何方でしたっけ?
「・・・・・・ヒトのこと言えるのか?」
「俺・・私は、節度を持って居る。お前と一緒にするな。」
スタスタと歩き去っていくオデッセ。
「遅いぞ・・まったく・・」
「悪かったな・・会議が長引いて・・」
「言い訳はいらぬ、次からは気をつけよ。」
「話、聞いてないだろ?」
仲が良いようでうらやましいものです。
「なんか楽しそうだな。」
「そうですか?」
オデッセの会話を聞きながら笑顔でも浮かべていたのでしょうか。
セイは時々鋭いのです。
「とりあえず、飯食いに行くぞ。」
「はい。」

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