《MUMEI》 *意外*「天宮家の‥お嬢様‥ですか?」 いつの間にか奏楽が止まり、シインとなった教会に、そう問い掛ける声が響いた。 瑠果は頷いて答える。 「‥‥そうだが」 すると嬉しそうな声が返ってきた。 「やはりそうだったんですね!──今日は様子を見にいらしたんですか?」 「ああ。久し振りに来てみたくなってな」 「そうですかー。あ、そちらの方は‥?」 「私の執事だ」 「ではあなたが紫堂さん‥?」 「はい。僕を‥知ってるんですか?」 「天宮家に新しい執事が来たと噂になっていましたから。‥あ、すみません余計な事を‥」 「いえ、気にしないで下さい。──あ、そういえば‥さっきの音楽素敵でしたよ」 「‥ぇ、そ‥、そんな事ないですよ、私よりも、お嬢様の方がお上手ですから‥っ」 それを聞いて、紫堂は意外に思いキョトンとする。 「お嬢様もオルガンを?」 「元はピアノだ。たまに代理で弾いたりはしていたが‥」 前へ |次へ |
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