《MUMEI》 *鍵盤*「凄いですね」 紫堂は感心したように頷き、そして言った。 「お嬢様、何か弾いて下さいませんか?」 「!?」 瑠果は冗談だろうと言いたげに紫堂を見上げた。 「私も聞きたいです、お嬢様の奏楽」 「わ、分かった。だが1曲だけだぞ」 瑠果は渋々オルガンの前に座り、感覚を確かめるように鍵盤を軽く叩いた。 懐かしい、と微かに思う。 その鍵盤は、幼い頃弾いていた時よりも僅かに小さく感じられた。 前へ |次へ |
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