《MUMEI》
*感動*
シインと静まり返る空間。

「───────」

「どうした紫堂?」

オルガンの椅子から立ち上がり瑠果が問い掛けると、紫堂はやっとの事で声をだした。

「‥す」

「?」

「凄いです‥」

「私も感動しました!」

「‥‥‥‥」

瑠果は照れくさそうに顔を伏せる。

すると、紫堂が瑠果の両手を握った。

「!?」

瑠果は驚いて顔を上げる。

「な、何だ?」

「ありがとうございました」

「‥??」

握られた手が異様に熱い事に、瑠果は気付いた。

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