《MUMEI》

「え?え?」





呆然…、

いい寄られる事はあってもこんな言い方されたの初めてだったりして



「つか私アイスのガリガリ君は大好きだけどガリ男はダメ!
見たよ雑誌!筋肉もないのに裸見せてさ〜、あ〜ゆうのウザイ!
キモイ!!」



プチプチ!!



「あ、あのなあ!普通本人目の前にしてそ〜ゆう事言わないの!!俺だってな〜!メイクの一つもしねー女だ〜れが付き合うか!
それになんだその格好!恥ずかし過ぎてダチにも合わせらんね〜!」


バンッ!!


「はあ〜?これがイイって寄ってくる男もいるんだよ!!
ウザイ!内藤氏ね!」


バンッ!!

「俺みて〜なイケメン好きな女は全国に何万人もいるんだよ!つか坂井にイイ寄る男!?
はあ〜?どんなマニアだよ!どうせキモメンかブサメンだろ?
ま〜いい男がダメって時点でブサメン好きみたいだからな!ちょうどい〜か!」

二人立て膝でテーブルに手をついたまま睨み合う。



一歩も退かないキツイ眼差し。




こいつ…できる!!

「ちなみに聞くけど…好きなタイプは…」


「カンニングの竹山っす!あんたは!?」

「か、カンニング……!!」



つかガチかよ!この子マジでブサメン好きだ!!



「あんたは!!」

今にも噛みつかれそうな勢い!!

「お…俺は…」




ヤバい!加藤しか出てこね〜!!



激しく睨みつける眼差し、誰だ?イイ女って誰だ!!

ふと昨日同じグループのメン、羽鳥が言っていた事を思い出す。


『やっぱえびちゃん可愛いよな〜!誰か紹介してくれ〜〜!』



全然タイプじゃないけど…、
他に浮かばね〜!!

「えびちゃん?かな…」

坂井さんはまた激しくテーブルを叩くと立ち上がり玄関に向かった。



「ちょっと待てよ!」


「帰る!もう内藤なんかだいっキライ!!
あと私坂井じゃなくて折原!!坂井は旧姓!」



バンッと勢い良く扉を叩きつけ帰ってしまった。



「は?き、旧姓?
け、結婚してるの?え?え?はあ〜??」




頭の中がこんがらかったままテーブルに戻ると…




「つか携帯忘れてんじゃん!あんのバカ女〜〜!」

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