《MUMEI》

ベッドに腰かける二人の上に、なんとも言えない空虚さと白々しさがのしかかる。何となく手持ち無沙汰になって、煙草を口にくわえながら問いかけてみる。

「‥‥明日、バイトのシフト入ってんの?」

口から出たのは最高に世間話の体を表していて、そういえば大学も趣味も違うコイツと共通の話題なんてバイトのことぐらいだと思った。

「入ってるよ。たぶん7時から」

答える彼女もどこかぼんやりしている、感じる半透膜の壁。

「‥‥なおひろは?」

「8時から入ってる。知ってたら7時からにしてたんだけどな」



「え、なんで?」

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