《MUMEI》 引ッ越シ春日有希の大ブレイクで、収入はサラリーマンの平均的な収入以上だったから、流理と有理の生活はとても潤っていた。 無駄遣いしても余るくらいだったが、ふたりとも無駄遣いなんてしなかった。 今までふたりは事務所が用意してくれた高級マンションの11階に住んでいたが、車椅子の有理が住むとなると、不便が生じる。 まず、流理がドアの幅や、廊下の幅を測ってみると、車椅子はギリギリ通るか通らないかの幅だった。 エレベーターがもちろん付いていたが、車椅子専用のボタンが壊れていた。 そこらへんを考えて、流理は引っ越しを決意した。 有理はいないし、頼れる大人もいない。 新しい家探しも、荷造りも全部ひとりでするしかない。 全ては…有理が不自由なく生活できるために。 前へ |次へ |
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