《MUMEI》 私は叫んだ。 『何で、俊兄がこんなもの持ってるの!』 『ち、違うんだ。これは…』 『何が違うの?!』 うろたえる俊彦に私は詰め寄った。 『これは…』 そして、俊彦は、私に言ったのだ。 『蝶子の足があまりにも綺麗だったから、つい…』 ーと。 私は、怒りで震えながら、俊彦の顔を思いきり殴った。 『大っ嫌い!』 (本当に、大好きだったのに!) ショックだった。 今まで好きだった人が、こんな… 変態だったなんて。 『ま、待って!話を…』 『聞きたくない! 出てって! それを置いてさっさと出ていって!』 私は部屋の中にあった物を俊彦に投げつけて、俊彦を追い出した。 それから 俊彦が置いていった 封筒の中身を ストーカーが盗撮した 私の足の写真を 全て破り捨てた。 私は、それから、この町を出るまで俊彦をずっと避けていた。 口もきかなかった。 理由を言いたくないから、商店街の皆からは、『ストーカーが俊彦の知り合いで、それに俊彦が気付かなかったから、怒っている』と思われていた。 今でも真実は言う必要は無いと私は思っていた。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |