《MUMEI》
*口調*
「!!」

反射的に、瑠果は紫堂から離れた。

「大丈夫ですか、お嬢様」

「あ、ああ。すまなかったな‥」

頬が熱い。

自分の鼓動がやけに大きく聞こえる。

「お嬢様‥?」

「いや、す、すまん」

まるで言葉を忘れたかのような喋り口調に、瑠果は我ながら驚かずにはいられなかった。

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