《MUMEI》 お迎え「私、一人で帰れるから大丈夫よ!」 私は本当は体がしんどいのを我慢して、元気そうに振る舞った。 「安心して!佐久間さん、すぐに来てくれるって」 千夏が私に携帯を返しながら言う。 「佐久間さんは別に彼氏とかじゃないんだから悪いわよ…」 「そんなことばっかり言ってたら佐久間さんと進展しないわよ!」 千夏はそう言ったが、当の私は佐久間との進展なんて興味がない。 だから佐久間の迎えも申し訳ないが迷惑だった。 そうこうしていると佐久間がやってきた。 「愛加ちゃん大丈夫?千夏ちゃんから聞いてビックリしたよ!さっ、行こう」 「佐久間さん、よろしくお願いします!!」 千夏が頭を下げる。 「千夏やめてよ。頭なんか下げるなんて…また連絡するわ。今日はごめんね!」 私は二人に謝って佐久間と店を出た。 前へ |次へ |
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