《MUMEI》
*視線*
「‥‥‥‥‥‥‥」

自分の鼓動がうるさい。

歩きながら、紫堂が何やら話し掛けてくるのだが、瑠果にはまるで聞こえなかった。

(何ゆえ私はこんなにも動悸がしているのだ‥!?)

何とかテーブルに着いたものの、瑠果の心はまだ落ち着かなかった。

彼女の瞳は、平然としてティーカップに紅茶を注ぐ目の前の執事に釘付けになる。

「‥‥‥‥‥‥」

「どうかなさいましたか、お嬢さ‥」

自分に向けられた視線に気付き尋ねた紫堂の手が、ティーポットを傾けたまま止まった。

瑠果が真っ赤に頬を染めて自分を見つめていたからだ。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫