《MUMEI》 *反応*零れた紅茶の始末がすっかり終わってしまうと、紫堂はホッと息をついた。 だがテーブルの方に目をやって、ガックリと肩を落とした。 「紫堂?」 「すみません、朝食は無事なようですが──」 真っ白だったテーブルクロスは、紅茶色に染まってしまっていた。 (やってもうた‥) 心の中で呟きつつ、紫堂は頭を抱えた。 すると瑠果が背後から声をかけた。 「どうした?」 「すみません‥」 「何を悔やんでいるんだ?」 「テーブルクロスが──」 「なかなか良い色に染まったではないか」 「‥??」 その意外な反応に、紫堂は拍子抜けした。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |