《MUMEI》
*質問*
「?──大丈夫か紫堂」

不思議に思った瑠果が尋ねると、紫堂は危うく椅子ごとひっくり返りそうになりながら返事をした。

そして2人は暫く互いに目を合わせる事を拒むように俯いた。

「‥‥‥‥‥‥」

「‥‥‥‥‥‥」

「紫堂」

「は、はい‥」

紫堂はまだ俯いたまま答えた。

「紫堂」

瑠果はテーブル越しに身を乗り出すと、紫堂に問い掛ける。

「何かあるのか?」

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