貴方の中の小悪魔
を知る神秘の占い《MUMEI》邪魔な男
俺は今運転中。
仕事を終え、友人が入院する医療大学に向かっている。
――夕方の6時。
仕事帰りの車で大通りは若干渋滞している。
俺は信号が赤になったのを利用しCDを入れ替えた。
バスが細かく止まる事に左車線の車達が右車線に動き、バスの前に出る。
俺も例外ではなくバスを追い越した。
すると視界が鮮明になる。
これで信号も見やすい。
それでも前の何台かが右に寄り出す。もしやこの先で工事か?
そう思った矢先とうとう俺の前のデミオも右へと移った。
「!!」
原因は貴様か!!
それは1台の原動付自転車、略称【原チャ】
原チャは邪魔と言えば邪魔な存在だが、今現在それ程流れている訳ではないから
別にわざわざ皆で避ける程の存在ではない。
なのに皆露骨に避けている…避けたくなる原因が他にあった。
なんと原チャの男!
シャドウボクシングをしながら走っている!
怪しい…
怪しすぎる…
しかもかなり熱中している。
その為車体が時々傾くは蛇行するわ、あげくに脚は180度で開いている。
ヘッドホンは付けてる様子さえまるでないのに、さもロックを聞いているが如くたてノリまでしている。
怪しい…
気がつくと俺の後ろの車まで右側に逃げた。
俺は…
暫く様子を見る事にした。
次へ
作品目次へ
無銘の作品を探す
無銘文庫TOPへ