《MUMEI》
何だよそれ
鈴木に電話をするとき手が震えた。


もし・・・この電話で別れることになったら・・・


電話に出てくれるかな・・・


そんなことを不安に思いながら何コールも待ったが、鈴木が電話に出る気配はない。


電話にでない・・・ってわざと?
いや、お風呂?トイレ?


電話が繋がらなかったことにショックを受けながらも行動に出た分、少し気持ちが落ち着いた。


もう一時間したらかけ直そ。




そして一時間後
再び電話をかける。


10コール鳴ったところで鈴木が電話に出た。


「もしもし・・・」


鈴木は少し不機嫌そうだ。
その不機嫌さを感じ取ってしまい、電話が繋がったら繋がったで緊張し始めた。


「あ、えっと、昼間のことなんだけど・・・」


「・・・・・・」


鈴木は何も言わない。
それが更に美樹子を緊張させる。


「えっと、これから・・・どうするかと思って・・・」


「・・・・・・」


鈴木、何にも話してくれない・・・
どうしよ。


沈黙が数分続いて、鈴木がやっと口を開いた。


「さっきも電話しただろ?で、また電話してきたから、どうしても話したいことがあるんだろうと思って電話でたんだけど、これからどうなる?って、何だよそれ?」


え?何だよそれって・・・
そっちの方が何だよそれ?

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