《MUMEI》
分かってない女
「何だよそれ?って言われても、昼みたいな別れ方じゃ・・・」


こんなこと言ったら別れ話するために電話したみたいじゃん、私。


「だからちゃんと別れ話したいってこと?」


あぁぁ、やっぱりそう思われた。


「そうじゃなくて!話をしたいと思って。」


「何の話?シドニー?俺の誕生日?」


それは・・・まだ決めきらないんだけど。
なんて言うと、またケンカになるんだよね。


「どっち?お前はなんで電話してきたわけ?」


鈴木が問い詰めてくる。


「そんな風に聞かれると、よくわからない。ただ話したくて・・・」


そう言いながら涙が出てきた。


「なんで泣くの?」


鈴木が少し優しくなった。


「分からない。勝手に涙が出てきた・・・」


本当に訳も分からず涙が出た。


「お前は俺と仲直りしたいんだろ?」


そうそう。


「ならさ、素直にそう言えばいいじゃん」


そっか。


「"これからのこと"とか言うから変になるんだぜ」


鈴木はいつもの口調に戻っている。


「まずはさ仲直りしてから、これからのことだろ?」


「分かってるなら、なんでそういう風に最初から言ってくれないの?」


「お前が全然分かってないから」

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