《MUMEI》

分かってないとか言われて、少し引っかかるけど今はそんなこと言ってる場合じゃない。


「仲直りできる?」


素直に聞いてみた。


「うん。俺もカッとなっちゃって・・・」


鈴木も反省してたんだ。
良かった。
それが分かって安心した。




「シドニー、行ってこいよ」


急に鈴木が言った。


「え!?」


「俺とはこれから先、毎年一緒にいれるけど、シドニーにタダで行けるのは今回だけだろ?」


え!ま、まじで・・・


「まじでいいの?」


「だから行ってこいって言ってるだろ。その代わり土産を忘れんなよ!」


まさか鈴木がそんな風に思ってくれてるなんて夢にも思わなかった。


「ありがとう!絶対にお土産買ってくる」

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