《MUMEI》
同情
迎えに来れないって・・・


「美樹子さん、ごめんごめん。やっと出てきたわ。」


リナさんが駆け足で来る。


「あぁ、良かったね」


「鈴木君、繋がった?」


聞かれたくないことをリナさんが真っ先に聞いてくる。


「あ、うん。繋がったけど・・・今日は無理らしい。。。」


って、自分で言ってみじめになる。


「え、そうなん?・・・ど、どうしたんやろね・・・」


リナさんが私を哀れな目で見つめる。


「ま、いいのいいの。早く帰ろう!バスにする?電車にする?」


同情されたくないから、思いっきり元気良く言った。


帰ってきたときのこと、ちゃんと打ち合わせをしなかった私が悪いんだし・・・
別になんでもないよ。
きっと・・・


「ほんじゃバスにしよ!」


リナさんが言い、こうして二人でバスに乗り込んだ。

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