《MUMEI》
お土産
鈴木はすぐに電話に出た。


「もしもし。私・・・」


「あぁ・・・京都に戻ったの?」


鈴木は普通に話す。


「うん、さっき帰ってきて今から寝ようかなって思ってたとこ」


だけど鈴木のことが気になって寝れないのよ!


「そっか。疲れただろ?ゆっくり寝ろよ」


「うん・・・」


寝ることを勧めるんじゃなくて、どうだった?とか土産話を聞きたくないの?


「あのね、お土産買ってきたんだけど、どうしよ?」


「いつでもいいよ」


いつでもいいとかじゃなくて、やったー!とか、何?とかさ、喜んだ反応が欲しいんだけど。


「じゃぁ・・・明日!私が持って行くよ。早く渡したいし」


「明日は無理。タツヤ達と約束しちゃったから」


え・・・?


「なんで?」


「なんでって別に俺が誰と遊ぼうが、それは自由だろ?」


そりゃそうだけど・・・


「私に早く会いたいとか思わないの?」


普通ならそう思うんじゃないの?


「だから今日帰ってくるって知らなかったから、他の奴と約束したんだよ」


鈴木が、さっきも言っただろ!って感じでイライラした口調になる。


「別に他の人と約束するのはいいけど、私がいつ帰ってくるとか気にならなかったの?」

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