《MUMEI》 募りゆく懐疑心*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= 僕は、白金にある邸宅へと戻った……。 「ただいま……」 「アナタ、おかえりなさーい!」 やれやれ… 毎度のこととは云え、この女のダミ声にはウンザリさせられる。 「アナター、昨日ねー、姉さんと六本木に行ってきたのよぉ! サザエ姉さんったら、ラヴィアンローズの○○くんって男の子にメロメロにされちゃってぇー… もぉシャンパンタワーなんて作らされちゃったのよぉ…(笑)! はい…アナタこれ。今月の支払い。」 花沢さんはカードの利用明細を僕に差し出す。 一昔前の僕なら卒倒しそうな額だ――……。 前へ |次へ |
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