《MUMEI》
募りゆく懐疑心
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僕は、白金にある邸宅へと戻った……。


「ただいま……」


「アナタ、おかえりなさーい!」


やれやれ…

毎度のこととは云え、この女のダミ声にはウンザリさせられる。



「アナター、昨日ねー、姉さんと六本木に行ってきたのよぉ!

サザエ姉さんったら、ラヴィアンローズの○○くんって男の子にメロメロにされちゃってぇー…

もぉシャンパンタワーなんて作らされちゃったのよぉ…(笑)!

はい…アナタこれ。今月の支払い。」


花沢さんはカードの利用明細を僕に差し出す。


一昔前の僕なら卒倒しそうな額だ――……。

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