《MUMEI》
思い出話
きっと鈴木は、おいおいそりゃ極端だろ!なんて言いながら引き止めてくれると思った。


なのに・・・


「俺も別れた方がいいと思うよ。やっぱ無理だよ俺達。ケンカばっかだしさ・・・」


って・・・ガーーン!


私が口火を切った分、今さら嫌だなんて言えない・・・


「お互いそう思うんなら別れるべきってことなのかもね!ちょうど私も疲れてたところだから」


あぁぁぁぁぁ
私の口が意志とは反して勝手に動くぅ。


「お前と付き合えて良かったよ・・・ありがとう」


鈴木が静かに言う。
その言葉を聞いて涙がポロポロ落ちだした。


「そんなこと言わないで・・・ありがとうって」


「なんで?俺は感謝してるよ。お前といれて楽しかったし」


そんなこと言うなら別れるなんて言わないでよ・・・


涙を流しながら二人で過ごした時間を思い出していた。


「バイクの後ろに乗ったの初めてだったから、すごく楽しかった・・・」


私がそう言うと、鈴木も思い出話を話し始める。


「俺、ずっと男子校だったからお前と一緒に授業受けたり、すっごい新鮮だった・・・」


そうやって二人で思い出を話していると絶対に別れたくないと思った。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫