《MUMEI》 思い出話きっと鈴木は、おいおいそりゃ極端だろ!なんて言いながら引き止めてくれると思った。 なのに・・・ 「俺も別れた方がいいと思うよ。やっぱ無理だよ俺達。ケンカばっかだしさ・・・」 って・・・ガーーン! 私が口火を切った分、今さら嫌だなんて言えない・・・ 「お互いそう思うんなら別れるべきってことなのかもね!ちょうど私も疲れてたところだから」 あぁぁぁぁぁ 私の口が意志とは反して勝手に動くぅ。 「お前と付き合えて良かったよ・・・ありがとう」 鈴木が静かに言う。 その言葉を聞いて涙がポロポロ落ちだした。 「そんなこと言わないで・・・ありがとうって」 「なんで?俺は感謝してるよ。お前といれて楽しかったし」 そんなこと言うなら別れるなんて言わないでよ・・・ 涙を流しながら二人で過ごした時間を思い出していた。 「バイクの後ろに乗ったの初めてだったから、すごく楽しかった・・・」 私がそう言うと、鈴木も思い出話を話し始める。 「俺、ずっと男子校だったからお前と一緒に授業受けたり、すっごい新鮮だった・・・」 そうやって二人で思い出を話していると絶対に別れたくないと思った。 前へ |次へ |
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