《MUMEI》
時間
「やっぱり別れたくない!」


思い切って言った。


きっと鈴木も思い出を話しているうちに、楽しかったことを思い出して、やっぱり!って気持ちになってるはず!


しかし鈴木は返事をしない。


「やりなおせない?私たち?」


もう一度聞いてみた。


「俺、なんか混乱しちゃって・・・」


鈴木が申し訳なさそうに言う。


「ごめん・・・少しだけ考える時間をくれないか?」


「時間ってどれくらい?」


鈴木は黙っている。


「あんまり長いと私も困るから・・・期間を決めてもらわないと・・・」


際限なく待つのは苦行に近いものがある。


「じゃぁ、一週間。一週間後に俺から電話するから・・・」


そう言って鈴木との電話を終えた。


一週間なら、なんとか自分を誤魔化して待つことができそう・・・

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