《MUMEI》
*散歩*
言われるがまま、紫堂は外へ出た。

そして瑠果に手を引かれながら歩き出す。

柔らかな陽射が心地良い。

穏やかな風に、瑠果の長い金髪が揺れる。

「どうした?」

「あ、いえ‥」

ふいに目が合い、紫堂は反射的に俯いた。

「───────」

陽の光が当たっているせいか、紫堂には瑠果の姿が眩しく見えた。

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