《MUMEI》 「自分で言っといて何びっくりしてんだよ」 あまりにすっとんきょうな声をあげたのでツッコミを入れると、慌てて両手で口を塞ぐ。おせぇよ。 「や、だってだって」 「キューティーハニーか」 気取られたことが悔しくて無理目に明るい顔を向けるが、それと反比例してひどく心配そうな顔を向けられる。 「‥‥大丈夫なん?」 「何が」 手早く着替えおえて壁にかかる時計を見上げるが、まだ仕事開始まで5分もあった。早くここから出ていきたい、ち、と思わず舌打ちが零れる。そういう意味じゃないのに、目の前で半裸のまま固まるバイト仲間の目に怯えが見えて、ますます苛立った。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |