《MUMEI》

結局酔っ払いは俺の謝罪にしぶしぶ頷き、最後には不機嫌そうとはいえ彼女に罵ったことを謝って帰っていった。
それからも忙しさは終わることを知らず、彼女に何も言えないまま俺はラストオーダーまで仕事に没頭した。
バイトが終わると、彼女に外で待ってる、と短く告げられた。

店員たちが帰ったあと、着替えて外に出ると彼女が待っていた。
外はもう深夜から早朝に変わりかけている、そのダークブルーを背景にして、彼女は静かに立っていた。
夏の生暖かい空気を吸い込む。

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