《MUMEI》 彼女が何も言わないので、俺は気まずさから逃れようとすぐ横の自販機で煙草を買った。封を開けてラキストの茶色い尻を食む、100円ライターで火を灯していると、ようやく彼女が口を開いた。 「‥‥昨日はごめんなさい」 俯いた彼女の顔は確認できず、吐き出した煙の行方を視線で追う。 「や、別に‥‥俺も悪かったし」 「ううん‥‥」 前へ |次へ |
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