《MUMEI》 いつだって彼女の言葉は予測できてしまう。彼女が単純なのか、俺の勘がいいのか。 「辛いの、もう一緒にいるのが辛い。普通の顔して友達でなんていられない」 何か言おうとするが、何も出てこない。 「ごめんなさい、本当に」 今コイツの目から零れる涙を拭ってやれば、また友達に戻れるのか? 「さよなら、今までありがとう」 今引き止めなければこれが永遠の別れになる、二度と手を伸ばせなくなる。 伸ばした手は、 空を掴んだ。 前へ |次へ |
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