《MUMEI》
*変化*
瑠果はしばらくベンチに腰掛けたまま吹き上がる水を眺めていた。

飲み物を買いに行っていた紫堂が戻って来ると、瑠果は彼の方に顔を向けた。

「すまなかったな、わざわざ買いに行かせてしまって」

「いえ、構いませんよ」

以前の瑠果なら、誰かに用事を任せるなど有り得なかったのだが、今日は違った。

彼女自身、この執事に甘えてしまっているという事は分かっていたのだが、何故かそれを覆そうとは思わなかった。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫