《MUMEI》
一週間
鈴木から一週間の時間が欲しいと言われてから、ちょうど一週間。


鈴木は何時頃に電話をくれるんだろう。


この一週間で何を考えてたんだろう・・・


きっと鈴木も考えた結果、やり直したいって思ってくれるよね・・・


そんなことを繰り返し考えながら、いつでも電話に出れるように朝から家で待っている。


でも、さすがに朝から電話してくるわけないか・・・


でもでも、やり直すなら、早く仲直りして早く会いたいって思うかもしれない。


そう思うと家を出ることができなかった。


待つって・・・苦しい。


部屋でゴロゴロとしながら、鈴木のことを思う。


お願い!早く電話してきて・・・


しかし時計はすでに夜の10時を指していた。


そういえば鈴木は夜型だった!
だから、きっと10時以降に・・・


テレビを見ながら落ち着かない気持ちを誤魔化してはいたが、意識は携帯電話にある。


そして12時・・・


日付が変わった。


忘れてるってことないよね・・・



日付が変わったのに鈴木からの電話がないことで不安が大きくなった。


なんで電話がないの?


一週間時間が欲しいって・・・


一週間後に電話するって言ったくせに!


いや、でも鈴木は夜中に電話してきたこともあったし、もしかしたら・・・


そうやって自分に言い聞かせてみるものの、もうコントロールができなくなっていた。


どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう・・・


悩んだ末、山口の大ちゃんに電話をかけた。


大ちゃんになら、なんでも言えるような気がしたから。

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