《MUMEI》
内藤視点


「ちょっと…」


「はい」



黙ったまま坂井さんの後ろをついて行く。



エレベーターに乗り下るとマンションを出た。



「内藤…君?、君真菜とどういった関係?」
坂井さんはライターで煙草に火をつけフーッと一気に吐き出した。
マンションの駐輪場に二人きり…、高校時代カツアゲされた記憶がふと蘇り一瞬寒気が走った。




「大学が…一緒なんです、はい」



「なんだ!そうなんだ!じゃあお友達?あ!初めまして、真菜の兄です、いつも真菜がお世話になっております」

「あ!い、いえ!こちらこそお世話になっております!」



思わずつられて頭をぺこり。


どうしよう!勘違いされた!!
全然友達じゃねーしッ!!


「あ、あの、俺真菜さんが携帯忘れたんで届けに来たんです」

「あれ〜!わざわざ有難う!」

坂井さんは俺から受け取るとニコッと俺に笑いかけてくれた。



――ああ、やっぱ格好イイ…。


しかもめっちゃ綺麗だし、それに!


アクセとシャツの組み合わせ相変わらず最高!


あ、ピアス一ヶ所増えてる…、色白だから色っぽいな〜。

憧れちゃうなあ、やっぱり俺この人のファンだよ。


「あの〜、何か俺の顔についてる?」

「あ!いえ…すみません」


思わずガン見してた〜!


は、恥ずかしい…
恥ずかしい…


思わず俺がうつ向くと坂井さんはクスクス笑いだした。


「な、なんですか?」

「ゴメンね!おかしくて!アハハハ!ゴメン、フフッ…」


坂井さんはズルズルとしゃがみ込み、ブロック塀にもたれかかった。


そして煙草をグリグリと消す。


「真菜に言ってくれてサンキュー…」


「え?」


「アイツ俺が何言ったってしゃれっけないって言うの?服装なんかいい加減だしファンデさえ持ってない。
誕生日にだよ?サマンサタバサの新作バック買ってやったって使いづらいの一言でクローゼットにしまいっぱなしだしさ…」



「…そうなんですか」



うん、あの子そんな感じするな。


「君みたいなイイ男にビシッと言われて少しは気が引き締まったろう、有難うな、言ってくれて」

前へ |次へ

作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ

携帯小説の
(C)無銘文庫