《MUMEI》
*微風*
渡されたオレンジジュースの紙パックにストローを刺しながら、瑠果はふと傍らの執事に目をやる。

「‥‥‥‥‥‥」

紫堂は熱くなったのか、脱いだ上着を片腕にかけていた。

「お前も座らないか?」

瑠果が言って少しずれて座り直すと、躊躇しつつも紫堂は隣りに座った。

「──────」

「‥‥‥‥‥‥」

流れる沈黙。

微風が吹き、木の葉が揺れた。

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