《MUMEI》

「ごめん、ごめんな近藤‥‥怒った?」

うわ、うわぁ何そのツンデレ

背後から聞こえる不安気な声に同情心が沸き上がってしまい、怒ってないよ、とソファの上で反転する。ローテーブルの向こうであぐらをかく失恋男は、申し訳なさそうな顔をしていた。

「いいよ別に、俺も好奇心があったのは確かだし」

ソファに横たわったまま答えると、失恋男の顔が若干ゆるんだ。

「心配してくれてありがとな」

真面目な顔で言われて逆に照れてしまう、意外と純だよねこの人。

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