《MUMEI》
再びウッチー
「そういうこと、ってどういうこと?」


気になって思わず聞いてしまった。


「夏に鈴木に会った時の話なんだけどね・・・」


夏って、私と大ちゃんがあんなことしそうになった時の・・・(汗


「あいつが珍しく同じ大学に気になる女の子がいるって騒いでて・・・」


あれ?なんかちょっと違うかな?


「その子が内田恭子に似てるらしく、鈴木は『ウッチー』っ呼んでてさ・・・」


ウッチー?


「今、思えば美樹ちゃんのことだったんだな、それ。全然気付かなかったよ。言われてみれば、たしかにウッチーに似てる!」


「え?私が・・・」


そういえば・・・タツヤ君にもウッチーって・・・


「鈴木は美樹ちゃんのこと最初っから好きだったんだよ、きっと」


ま、まじでぇーー


「でも、鈴木、私のことウッチーじゃないって言ってた」


4人で焼き肉に行ったとき、タツヤ君に違うって言ってたもん・・・


「俺にもウッチーと美樹ちゃんが同一人物だなんて分からないように言ってたよ。あいつ」


「じゃぁ、人違いなんじゃないかな・・・」


それが本当なら嬉しいけど、自分に自信がなくて否定してしまう。


「きっと俺たちが知り合うわけないと思ってたんだよ。
でも俺が美樹ちゃんと遊んだって言ったから、あいつは慌ててウッチーと美樹ちゃんを別人に仕立てたのかも・・・」


「なんで?」


なんで別人にするの?


「あいつはさ、照れ屋なんだよ。だから美樹ちゃんに自分の気持ちを知られるのが恥ずかしかったんじゃないかな・・・」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫