《MUMEI》

顔を上げるとでかでかと映る、バイト仲間の、茶髪で馬鹿で軽薄で顔ばかりいい男の顔。
どうにか悲鳴を漏らすのを耐る、ぎりり、噛み締めた奥歯が軋む。
そろそろとシャツから手を抜き、まだ寝息をたてていることに心底胸を撫でおろす。

にしても、何でこの体勢?

昨日の記憶を改めてたど、


うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ


逃げたい逃げたい逃げたい逃げたい恥ずかしいすぎるどうした俺何してんだ俺!?

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