《MUMEI》

花沢さんは呼んでもいないのに僕の後をついてきた。


「あらアナタ……

…なんだか、いい匂いがするわね?」


「え?……そうか?…」


僕はギクリとした。


花沢さんが気付いたのは、カオリちゃんにプレゼントした香水の移り香だったからだ。


「コレ…女物の香水じゃないの?」



――――この女!

なんでこう無駄に勘が鋭いんだ!?

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