《MUMEI》
嫌いじゃないけど・・・
「鈴木の今の気持ち聞かせて、お願い・・・」


私が聞いても鈴木は黙っている。


「何で黙ってるの?」


「ごめん・・・」


鈴木は謝る。


「なんか、今日は『ごめん』の連発だね。それじゃ分からないよ・・・」


鈴木はまた黙る。


「私のこと嫌いになったってこと?」


「ううん・・・」


鈴木が否定してくれたことで安心した。


「じゃぁ、私とやり直せばいいじゃん!」


少し強引に押してみた。


しかし鈴木は黙っている。


「やり直せない?」


鈴木は相変わらず返事をしない。


「なんとか言ってよ!」


私が怒ると鈴木がやっと口を開いた。


「ごめん・・・俺・・・」


そう言って少し黙った後、再び言葉を発した。


「他に好きな子ができたんだ・・・」

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