《MUMEI》 「愛加ちゃん!」 佐久間さん? 意識が夢から現実へと覚めていく。 「愛加ちゃん!」 目を開けると佐久間が顔を覗き込んでいる。 「大丈夫?かなりうなされてたみたいだけど・・・」 私、うなされてたんだ・・・ 「大丈夫・・・」 「そっか。なら良かった。手とか脚とかバタバタ動かすから、どうしたのかと思ったよ」 あぁ、それは太一を追いかけようとしてたんだ・・・ 「苦しくない?すごい汗かいてるけど、着替えた方がいいよ」 「大丈夫だから・・・」 「でも着替えはしたほうがいいよ。体が冷えちゃいけないから」 私は佐久間に言われたとおり着替えをした。 「もし・・・またうなされてたら起こしてくれない?」 また悪夢を見るのが怖くて、佐久間にお願いした。 「分かった。起こすから安心して寝な」 そして再び眠った。 前へ |次へ |
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