《MUMEI》 *放心*「お茶になさいますか?」 「‥‥‥‥‥」 放心状態の瑠果は、紫堂の問い掛けが聞こえていなかった。 「お嬢様‥?」 「!?」 正気を取り戻した瑠果のすぐ目の前に、紫堂の顔があった。 「しっ‥し、しし紫堂お前ッ」 「お疲れのようですね」 ニッコリと笑って紫堂は手を差し延べる。 「お部屋までお連れします」 「じ、自分で行‥」 全てを言い終わらない内に、瑠果は紫堂に手を取られていた。 前へ |次へ |
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