《MUMEI》

アハハハって笑って誤魔化す。





…いや、坂井さんの妹さんは俺の事ブサメンかキモメンとしか見てませんよ。


「♪♪♪♪♪♪♪」


「ちょっとゴメン、」



坂井さんはケツポケットから携帯を取り出し


「どした?」



坂井さんは携帯で話だした。




「え?内藤君なら眼の前にいるけど?なんで惇が内藤君の事……
、うん、はあ?……
マジで?」



下から俺をびっくりした表情で見上げている。




――やっぱり…。






坂井さんも俺が芸能人だって知らねーみてえだ…。




坂井さんは立ち上がり俺から少し離れて暫く話し、携帯を切った。




「すみません!知らなかったじゃすまないんだろうけど!ゴメンなさい!」




「坂井さん!頭下げないで下さい!あの、本当に困ります!」




――さっきここに来る前、加藤の携帯に久し振りに電話をした。



久し振りに聞く声にまだどっかでふっきれてない自分を再確認させられたが、なんとか気持ちを抑え、事情を簡単に話し坂井さんのマンションの場所を教えてもらった訳だ。




一応教えてしまった責任からか坂井さんに連絡してきたみたいなんだけど、おかげで坂井さん、俺の事を少し分かってくれたみたいだ。




「本当にゴメンね」



「いえ、あの…実は俺達、今日初めて会ったんじゃないんですよ…」



「え〜?そうだったの?何処で!?」



局のエレベーターの中で一緒になった事や、俺が凄い坂井さんのファンな事も話すと坂井さんは凄く嬉しそうに、寄っていきなってマンションに促してくれた。



もう憧れの坂井さん宅!
断る理由もなく俺はもちろん上がりこんだ。

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