《MUMEI》 同窓会の席には、僕の不倫相手であるカオリちゃんや、その亭主である中島までもが出席するかもしれない――……。 懐かしい旧友に会いたいのはやまやまだが、針のムシロのようなシチュエーションは御免被りたい…。 ――――結論。 「行きたいけど、仕事が忙しいからな… 今回はヤメとくよ……。」 僕は、ぶっきらぼうに返事する。 「あらそぉ…残念だわぁ…アナタと一緒に行きたかったのにぃ…」 花沢さんは僕の上着をクローゼットにしまいながら残念がった。 ――キミのような妻を人前に出すのも恥ずかしいしな――…。 僕は心の中で、付け加えた――…。 前へ |次へ |
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