《MUMEI》
*火傷*
丁度その頃、紫堂はポットを温めている最中だった。

ただ注意が欠けていたらしい。

不意に熱くなっているポットの胴に触れてしまった。

「!!っ」

慌てて手を引っ込め、水道の流水に当てる。

幸い大事には至らなかったものの、火傷の箇所がヒリヒリと痛んだ。

紅茶を淹れる準備の途中であった事を思い出し、紫堂は続きを始めた。

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